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海外オンラインマーケティングとは?海外で製品を売るための仕組みづくり

投稿者: Kazuma Sonoda 投稿日:

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海外オンラインマーケティングとは?海外で製品を売るための仕組みづくり

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ビジネスにおけるマーケティングにはさまざまな意味がありますが、ここでは「海外でモノを売るための仕組みづくり」としての海外オンラインマーケティングをご紹介します。まずは基本的なマーケティングについて、大きく4つの要素に分解して定義していきます。

海外ビジネスを成功させるための海外マーケティングの4つの要素

  1. 市場調査
  2. 商品価値の決定
  3. 流通の仕組みづくり
  4. 販売促進プロモーション

海外オンラインマーケティングとは?海外で製品を売るための仕組みづくり

1. 市場調査

自社製品や商品を海外で販売するためには、まず市場調査を行う必要があります。そもそも海外にニーズがない、競合が強い、利益を出すための価格設定が難しいといったケースもあるでしょう。市場調査には、さらに大きく分けて3種類の調査が必要です。

1-1. ニーズ調査

最初に行うべき調査はニーズ調査です。これは、自社の製品や商品の提供する価値が、本当に現地の消費者のニーズを満たしているかどうかを調査するものです。

例えば、地域によって消費者に好まれる色は商習慣や文化によって異なる場合があり、中国では赤や金色は縁起の良い色とされていますが、日本では赤や金などの色は派手で、日常生活ではあまり好まれないとされています。

このように、現地の消費者のニーズを把握し、現地の消費者の意見を収集し分析する必要があります。

現地に直接出向いて消費者の声を聞くことができればベストですが、それには時間と人手がかかってしまうので、現地調査をアウトソーシングするなどしてコストと時間を削減しましょう。

1-2. 価格調査

現地のニーズを把握したら、次に商品や製品の適正価格を決めるための調査を行う必要があります。現地の物価や商習慣、競合商品の価格などを調査し、商品や製品の適切な価格を決定します。

地域の店舗やオンラインマーチャントで販売されている商品の調査を行いましょう。地域を特定し、特定の商品の店頭価格をリストアップすることで、商品を販売する際の適切な価格を導き出すことができます。

1-3. 競合調査

競合調査は自社の製品や商品と提供する価値の類似性を調査するものです。商品やサービスが店頭で販売されている場合はその店頭で、ネットで販売されている場合はネットショップで調査を行い、それらの競合商品・サービスの価格、提供価値、認知度などを調べます。また、競合する製品やサービスが複数ある場合は、それらが自社事業にどの程度の影響を与えるかを調査します。

1-4.トレンド調査

SNSの普及により、流行やトレンドはあらゆるところで急速な勢いで消費されています。SNSによる拡散のスピードが速いため、どの地域で何が流行っているのかを知ることは困難とも言えますが、特定の地域で何が流行っているのかを知ることの重要性は変わらないため、トレンド調査は必ず実施しましょう。SNSによるトレンド調査なら現地に赴く必要性も低く、日本からでもコストをかけずに調査可能です。

2. 商品価値の決定

ニーズ調査、価格調査、競合調査、トレンド調査を行ったら、それらの結果を分析して、現地で売れる商品にするための商品内容の変更、価格決定、プロモーションの方向性を決定します。

ここで重要なのは、「現地の文化に最適化すること」と「競合と差別化すること」です。日本ではよく売れるが、その魅力をそのまま伝えるのは難しい商品もあれば、現地の文化とは異質と思われる商品でも、独自の価値を持っているものもあります。

最新技術や芸術的要素など、独自の価値を持つ一部の商品を除いて、すべての商品には競合他社が存在するので、競合他社が、現地で何を、どのような価格で、どのような価値を提供しているかによって、海外ビジネスの成長度合いは大きく左右されるでしょう。調査結果を分析し、市場における自社製品の価値を見極めましょう。

3. 流通の仕組みづくり

商品の価値が決まったら、実際に現地で販売するための流通システムを構築します。

店舗で販売する場合は、国内から店舗に商品を発送し、店舗に置くための流通経路を設定する必要があります。発送方法にもたくさんの選択肢があるため、貿易専門企業やトレーダーと相談しましょう。

4. 販売促進

現地で販売することが決まったら、商品のプロモーションが必要になります。現地での認知度を上げるための施策が必要ですが、このプロモーション施策のうち、メディアにお金を払うものを広告と呼び、それ以外をマーケティング活動と呼ぶのが一般的です。マーケティング活動の中でも、海外オンラインマーケティングは、今の時代に合った、コストを抑えながら実施できる施策ですので、ここからは具体的な海外オンラインマーケティングの手法を紹介します。

海外オンラインマーケティングとは

海外オンラインマーケティングとは、自社の製品やサービスが日本以外の海外でも売れるような仕組みをインターネット上に構築することです。海外のインターネット利用者人口は増え続けており、インターネット上で情報を発信することで、より多くの人に自社の製品やサービスを見てもらいやすくなります。

日本に拠点を置く企業は、日本国内のお客様とはつながることができても、海外に住んでいる人とはリアルにつながることができません。そこで、インターネット上で自社の商品やサービスとお客様を結びつけることで、海外に住んでいる人にアプローチし、より多くのお客様との繋がりを構築していきましょう。

海外向けWebマーケティングを成功させるための4つのマーケティング戦略

1. SEO対策

海外のWebマーケティングにおいて、自社の商品やサービスをターゲットに広める最もメジャーな方法が検索エンジン対策、つまりSEO対策です。現在、検索エンジンの世界シェアはGoogleが独占しているため、検索エンジン対策はGoogle検索エンジン対策とも言えます。海外のターゲットが自身のインターネット端末で目的のキーワードを検索した際に検索結果に自社の商品やサービスが表示されるようにするために検索エンジン対策を行っていきましょう。

SEO対策では、ターゲットとなるユーザーが検索するキーワードと自社の商品・サービスをマッチングさせ、そのユーザーが求める情報やニーズを満たすコンテンツ、つまり満足度の高いコンテンツを掲載することが必要です。現地の人が求めている情報をわかりやすく提供すること、そして、現地の人にとって有益で満足度の高いコンテンツを作ることが、検索エンジン対策として最適といえます。そのため、海外で行う場合は、ターゲットとなる現地の人に、現地の言葉で有益なコンテンツを書いてもらうとよいでしょう。注意点としては、日本人が求める情報と海外の現地の人が求める情報は異なる場合があるということです。ある商品やサービスの訴求ポイントが、日本の人と海外の人とでは異なる場合があるので、ターゲットとなる現地の人々がどのような情報を求めているのかを十分に調査し、より効果的なコンテンツを作成することが重要になってきます。SEOのためにWebページを作成する場合、ページコンテンツとしてテキスト、画像、動画のどれが最適かは、国や地域、文化、通信環境などによって異なり、画像のイラストの色やスタイルも様々で、日本のターゲット層にとって魅力的な画像と、外国人観光客にとって魅力的な画像は異なる場合があるので、これらも現地専門家のサポートを受けながら進めていくのが良いと言えるでしょう。

また、SEO対策はドメイン単位で行う必要があります。例えば、1つのドメインに複数の言語が含まれている場合、言語ごとにドメインを分けてサイトを作成しないと、せっかく良いコンテンツを作成しても検索順位が下がってしまう可能性があるので、複数の国や地域でSEO対策を行うには、ドメインを分けてサイトを作成してからコンテンツを作成することが重要です。

2. SNS対策

海外オンラインマーケティングでは、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用したマーケティング施策も重要です。海外ではSNSアカウントのアクティブ率が日本より高い国や地域がたくさんあります。例えば、フィリピンではFacebookの利用率が非常に高く、中国ではFacebookは全く利用できず、同国独自のSNSサービスであるWeiboやWechatの利用者数が他国と比較して非常に多いのが特徴です。

また、SNSには、ビジネス寄りのもの、ゆるい交流を重視するもの、画像や動画の投稿をコンセプトの中心に据えるものなどがあります。ターゲット層に応じて、どのSNSを利用するかを見極めましょう。

国や地域でも、サービスコンセプトによって注力すべきSNSが異なることに着目し、海外のWebマーケティング施策を行うことが必要になるため、対象となる国や地域の現地の人々が、どのSNSをどのような状況で利用しているのかを調査、より効果的なオンラインマーケティング施策を実施していきましょう。

3. リスティング対策

海外市場におけるオンラインマーケティング主要手段のひとつに、リスティング広告があります。リスティング広告とはGoogleで検索されたキーワードに反応して広告が表示される仕組みで、現地の検索エンジンでターゲットキーワードを検索すると、自社の商品やサービスが表示される仕組みを構築することで、海外現地の人々に自社ブランドの認知を拡大することができます。

海外の国や地域ごとにどのようなキーワードが検索されているかを調査した上で、検索ニーズにマッチした広告文を掲載することで、効果的なリスティング広告を出稿することができるので、現地言語で何度も修正を繰り返し、効果のある広告テキストを探しましょう。また、リスティング広告を出稿した後、実際にユーザーがサイトを訪れた際に、ブランディングや購入など期待通りの成果が得られるようなサイトページ作成も忘れずに行っておく必要があります。

4. 商品レビュー・口コミ

海外オンラインマーケティング以外の方法として、海外現地のショッピングサイトや商品レビューサイトにレビューを掲載してもらうという方法があります。ターゲット層がよく訪れるWebサイトで自社の製品やサービスをレビューしてもらうことで、これまで知らなかった人たちにも認知を広げることができます。

また、レビューや体験談を書いてもらい掲載することで、現地の人が自社の製品やサービスをどう感じているのか、フィードバックを得ることができます。最近では、若い世代ほど大手メディアの情報よりも、クチコミなどのリアルな意見で購入する傾向があると言われてい流ので、口コミやレビューは決して無視できない要素です。

国や地域によって主要な口コミサイトが異なり、地域ごとあるいは性別や年齢層ごとによく利用されるオンラインメディアも異なるので、どのメディアがどんなユーザー層に信頼されているのかを調査し、適切なメディアにレビューや口コミを増やしていく努力が求められます。

効果的な海外オンラインマーケティングで海外事業拡大を

以上、海外でWebマーケティングを実施する際の効果的な施策についてご紹介しました。もちろん、これらのマーケティング施策を実際に社内で実施できればベストですが、社内リソースでは対応できないケースもあります。

例えば、自社製品やサービスを訴求する場合、ターゲットとのコミュニケーションが不可欠であり、ターゲットが使用する言語でのコミュニケーションが必要となります。ターゲット言語を扱うリソースが社内にあれば問題ありませんが、社内にそのような人材リソースがない場合、外部委託する必要があります。

また、上記で説明したように、海外オンラインマーケティングを行う際には、各国・地域でどのようなニーズがあるのか、ターゲットがどのようなデザインを好み、どんなオンラインメディアやSNSをよく利用しているのかなどの調査・分析が必要不可欠です。ターゲットとなる地域の習慣や文化、トレンドなどの知識を理解し、海外でのオンラインマーケティングを成功させ、自社のビジネスを拡大しましょう!